[toc]
私たちは無意識に使われている色に影響を受けている
あなたの日常で目に入るいろいろな色、その1つ1つに使われている色の意味を深く考えたことがあるだろうか... 何気なく使われているその色には、私たちが思っている以上に心理的な影響を与えている。
世の中に存在するもの全てに色はついている。人々は使われている色をデザインとして受け取るが、作り手側は色の持つ「イメージ・意味・心的影響 etc...」心理学をもとに色を選んでいる。
私たちは無意識に色に誘導されているが、言い方を変えれば色の作用を知ることで人を誘導することが可能ということになる。
インテリアのデザインやファッションなどにも効果があるので、場所の状況やモチベーションに合う色を選択できるように学んでみるのも良いと思う。
色が人に与える影響それぞれの色の意味や働きを知ることで目的の方向へ誘導することも可能となってくる。
色は人にどのような影響を与えるのか?
心理的な部分として
イメージ・暗記・認識・想像などの能力が増す。これにより、色による学習・理解・誘導ができる。
生理的な部分として
神経に影響を与えることができる。ご存知の通り赤は交感神経に刺激を与えるので、身体が温まり血圧も上がるといわれています。また、対照的な緑や青は心を落ち着かせるリラックス作用がある。
感情的な部分として
人の感情や気分は、色から大きな影響を受ける場合がある。例えば、黄色やオレンジ色の物を見ると明るい気分になり、植物の緑や爽やかな海の青を見ると心が落ち着き安心する。
文化的な影響として
世界にはいろいろな文化が存在するが、価値観や感覚も様々で文化によって色が人に与える印象も異なっている。例えば、東洋文化では白が死を象徴するのに対し、西洋文化では黒が死を象徴すると言われている。
文化はデザインに影響を与え、またユーザーの文化によっても受け取り方が異なるようだ。
色の性質とイメージそして関連キーワードとキャラクター
白色(ホワイト:#FFFFFF)
白色 の性質として・・・
光を反射する白という色は暗い色の引き立て役でもある。信頼・清潔などクリーンなイメージがあるので好感度も高い。白は光を透過するので健康にも良い色とされている。
白のイメージとして始まりやスタートといった印象があり、平和や正義を象徴する色でもある。他の色を引き立てる効果があり、ベースカラーとして使われることが多い色でもある。
黒色とは対照的にポジティブな印象を受けるが、無機質・虚無感というネガティブな印象もあわせ持っている。
白色 のイメージ・・・
- 信頼感・清潔感といったクリーンな印象を与える
- 物を軽く感じさせる
- 実際よりも広さを感じる
- 「出発・始まり」といったスタートを感じさせる
白色 のキーワード・・・
清潔 / 洗練 / 平和 / 軽い / 可能性 / 空虚 / 健康 / 純粋 / 神聖 / 正義 / 無 / 善 / 冷淡 / 透明感
白色 のキャラクター・・・
正義感が強い / 意志が固い / 無駄なことが嫌い / シンプル好き / 完璧主義者 / 理想に向かい努力する
黒色(ブラック:#000000)
黒色 の性質として・・・
光を反射せずすべての色を吸収遮断する黒。ではあるが、周囲の色を引き締め目立たせる役割もあわせ持つ。他の色に与える影響も強く、色を組み合わせた時には黒のイメージが加わることも多い。
高級・強さ・神秘的な雰囲気を感じさせる色だが反面、他の色に比べ暗さというイメージからネガティブな印象も潜在的に見える。
重いものをより重く硬いものをより硬く感じさせる効果を持つ。明るい色との組み合わせでその色をより明るく見せ、主張を強く印象づけることができる。
黒色 のイメージ・・・
- 強さや高級感、深さや沈黙を感じさせる
- 色の組み合わせにより他の色を引き締め目立たせる
- 実際よりも物を重く感じさせる
黒色 のキーワード・・・
高級 / 神秘 / クール / 優雅 / 深さ / 沈黙 / 極限 / 闇 / 絶望 / 孤独 / 冷酷 / 重力
黒色 のキャラクター・・・
沈黙・・・無口 / 孤独を好む / プロ意識がある / 粘り強い / ポーカーフェイス / 秘密主義 / ストイック
灰色(グレー:#808080)
灰色 の性質として・・・
柔軟・沈静色といった特徴があり、明るいと白く暗ければ黒のイメージ効果が加わる。灰色は他の色との協調性もありどんな色にも馴染み自己主張しないため周囲の色と調和する色です。
控えめな上品さの印象を持つ。白と黒の間にある色でグレーゾーンという言葉にもあるとおり、明るめ暗めで色の範囲も広く捉えられている。
灰色 のイメージ・・・
- 控えめで穏やかなイメージではあるがお洒落で上品な印象を与える
- 落ち着いた雰囲気を持ち物事を受け入れやすく感じる
- 忍耐強いイメージがある
灰色 のキーワード・・・
穏やか / 安らぎ / 上品 / 過去 / 地味 / 曖昧 / 薄暗い / 無機質
灰色 のキャラクター・・・
控えめで大人 / 温厚で中立 / 用心深く防衛本能が強い / スマートでデリケート / 感情を抑え物腰が柔らかい
赤色(レッド:#FF0000)
赤色 の性質として・・・
赤色からはエネルギーを感じアクティブなイメージが浮かぶ。私たちが生きてく上で必要なものと多く結びついているこの色は、他のどの色より強い刺激を受ける。
気持ちを高揚させエネルギーを感じ闘争心を駆り立てる色です。膨張・興奮・進出色のイメージ効果を持つ。
興奮作用があり攻撃・自発という積極的なイメージの強い色だが反面、浪費することにも積極的になってしまうデメリットもある。
赤色は視界に飛び込んでくると目を引きやすいため、目立たせる場所に使われやすく警告・警戒を必要とするときにも多く使われる。
赤色 のイメージ・・・
- 前向きな気持ちにさせ活力を感じアドレナリン分泌で興奮を促す
- 暖かさや熱を感じ食欲を増進させる
- 五感の視覚と深い関係を持つ赤色は視界に入ると目を引き印象に残る
赤色 のキーワード・・・
興奮 / 情熱 / 積極的 / 革命 / 勝利 / 生命 / 派手 / 注意 / 危険 / 出費 / 緊張 / 争い / 怒り
赤色 のキャラクター・・・
行動力があり決断が早い / 頑張り屋で負けず嫌い / 派手好きでせっかち慎重さに欠ける / 上昇志向だが持続性に欠ける
青色(ブルー:#0000FF)
青色 の性質として・・・
見た人に安心感を与え、気持ちを落ち着かせる効果のある色です。寒さの印象も受ける色で、催眠効果や食欲を低下させるときにもよく用いられる。
信頼・誠実というイメージから、病院・企業のサイトで使われることも多い。また知性という性質があるので、冷静・神秘というイメージも持っている。
好む人が圧倒的に多く嫌う人が少ないという特徴があり、好感度も高く世界的に見ても人気が高い色です。鎮静・寒冷・収縮の効果を持つ。
青色 のイメージ・・・
- 気持ちを落ち着かせ興奮を抑え集中力を高める効果がある
- 食欲をコントロールし、睡眠を促進する
- 時間の経過を遅く感じさせる
青色 のキーワード・・・
冷静 / 信頼 / 誠実 / 知性 / 清潔 / 精神 / 神秘 / 開放 / 冷たさ / 冷酷
青色 のキャラクター・・・
プライドも高く戦略的 / 冷静でストイック / 品性があり信用できる / 知的で控えめ / 思いやり相手を尊重する / 謙虚でサポーター的
緑色(グリーン:#008000)
緑色 の性質として・・・
安心・安定・調和を表す色。森などの自然界に多く存在する色でもあるので、気持ちを穏やかにし心をリラックスさせてくれる効果がある。青色と黄色の混色で作れる緑色は2つの色と似たイメージを持っている。
控えめな色なので他の色とのバランスがとりやすい。しかし、中性色なので周辺の色によってはイメージ効果が左右される。リラックス効果を生む色なので、この効果を利用したいときには緑系の色を選択するといいでしょう。
緑色 のイメージ・・・
- 疲れ目を休め、リラックス効果がある
- 心・身体の疲れを癒し、穏やかな気持ちを与える
- 鎮静作用があり緊張を緩和する
緑色 のキーワード・・・
自然 / 健康 / 安定 / 調和 / 平和 / 安心 / 安全 / 希望 / 安らぎ / 回復 / 癒し
緑色 のキャラクター・・・
若さがあり前向きで努力家 / 優しく穏やかなイメージ / 自然を好みリラックスしている / バランス感覚に優れ脇役タイプ
黄色(イエロー:#FFFF00)
黄色 の性質として・・・
黄色は有彩色の中でも最も明るく、光のイメージが浮かぶ色です。幸福な気持ちになるこの色は、知性を刺激し行動を活性化して楽しい気分にさせてくれるので、コミュニケーションも円滑になります。
五感の中でも聴覚との関係が深く、よく通る声や音のイメージは黄色につながります。ポジティブなイメージが強い色ですが、黒色との組み合わせで警告を与える色として使われることも多くある。
黄色 のイメージ・・・
- 集中力・記憶力を高め、判断力がUPする
- 楽しい気分になり気持ちが明るくなる
- 組み合わせる色によっては注意を促す
黄色 のキーワード・・・
快活 / 上昇志向 / 好奇心 / 知性 / 決断 / 想像 / 希望 / 軽い / 幸福 / 陽気 / 洞察力
黄色 のキャラクター・・・
明るくフレンドリー / マイペースだが頭の回転が早い / 知識欲が強く毒舌家 / 冒険好きで好奇心旺盛
橙色(オレンジ:#FFA500)
橙色 の性質として・・・
橙色は赤色と黄色の中間色で、赤色と黄色のイメージの良いとこ取りでビタミン的な役割を持つ。幸福・暖かさ・親しみといったポジティブな印象を受けるので使えるシーンも多い。
健康的・食欲促進といったイメージのある色で食品関係によく採用される色でもある。赤色ほど激しくなく暖かくやわらかな主張のため、思いやりや親しみといった感じを受ける。
暖色系の色は好みが分かれるが、橙色は嫌う人も少なく好意的に見られれ万人受けする色です。一方、夕日や砂漠などもこの色であるため、寂しさといった消極的なイメージを与える色でもある。
橙色 のイメージ・・・
- ビタミン的で食欲を増進させる
- 温暖、膨張色のためエネルギーと開放感を与える
- 緊張を和らげ親しみを生む
橙色 のキーワード・・・
食欲 / 活力 / 冒険 / 発展 / 善意 / 幸福 / 太陽 / ビタミン / 快楽 / 陽気 / 温もり / 親しみ / 社交的
橙色 のキャラクター・・・
チャレンジ精神が旺盛 / 社交性があり明るく元気 / 仲間意識が強く親切 / 積極的でオールマイティー / 目立ちたがり屋で寂しがり屋
桃色(ピンク:#FFC0CB)
桃色 の性質として・・・
柔軟色で柔らかく優しい印象を持つ桃色は、女性的なイメージを強く受ける。合わないと思い実際入れてみると意外とマッチする意外性のある色でもある。
美しくなるためには必要なピンク色、幸せな気分を作り女性ホルモンの分泌を助け肌の潤いを保つため、積極的に取り入れたい色でもある。
ネガティブなイメージがあまり見当たらない色だが、度を越えてしまうと鬱陶しく感じてしまうので御用心。
「可愛さ・愛情・優しさ」といった心や体に満ち足りた気分をもたらしてくれる色で女性向けのデザインで抜群の効果を発揮するが、トーンや色の組み合わせで対象とする年齢が変わるため、ターゲットによりどの色を使うかを考える必要もあるだろう。
桃色 のイメージ・・・
- 優しく幸せな気持ちになる
- 愛らしく見え心も体も若くなる
- 緊張を和らげ安らぎに満ち足りた気分になる
- 華麗でエレガントではあるが繊細で幼さも感じる
桃色 のキーワード・・・
愛情 / 女性的 / 美容 / 幸福 / 優しさ / 可憐 / エレガント / 繊細 / ハート / 柔らかい / 安らぎ / 華麗 / 派手 / 幼稚 / 弱い
桃色 のキャラクター・・・
優しく世話好きで女性らしい / 繊細でロマンチスト / 可愛く甘え上手 / よく気がつき思いやりがある
紫色(パープル:#800080)
紫色 の性質として・・・
青紫から赤紫まで幅広い色域の紫色。青と赤の混合で生まれるこの色は、感性を鋭くしインスピレーションを高めてくれる。位の高い人が身に付ける色として昔から使われていたため、上品・高級というイメージを持っている。
動の赤と静の青の相反する2色が共存しているため、「華麗と不安定」「神秘と孤独」といった2面性を持つ。
使う場面によっては色の与える印象が変わる複雑な色でもある。五感の中でも触覚と関係が深く、触れる感覚では目に見えないヒーリング効果があるため神秘的な色です。
紫色 のイメージ・・・
- 勘が鋭くなり想像力をかきたて感性を豊かにする
- 不安や緊張を癒し穏やかになる
- 催眠効果が有り心と体の回復を促す
紫色 のキーワード・・・
知識 / 信頼 / 芸術 / エキゾチック / 古風 / 孤独 / 高級 / 上品 / 神秘 / 複雑 / 優雅 / 魅力 / 華麗 / 不吉
紫色 のキャラクター・・・
ミステリアスで美意識が高い / こだわりが強く精神性が高い / 協調性がなく理解しづらい面を持つ
茶色(ブラウン:#A52A2A)
茶色 の性質として・・・
茶色は赤やオレンジなどの暖色に黒が加わり暗くなった色で、重量色・温暖色のイメージ効果を持っている。赤とオレンジの境界も人によって異なるため、幅広い範囲で捉えられている。
樹木や大地といった自然を連想させるこの色は、温もりと居心地の良さを感じ安心感がある。空間にも目立たなく馴染み調和する。
好き嫌いもはっきりと分かれる色だが、暮らしの中に身近にあり溶け込んでいるため、飽きることのない色でもある。保守的で地味なイメージもあるため、大人にならないと良さが分からない色でもあるだろう。
茶色 のイメージ・・・
- 緊張を緩和し安定している印象を与える
- 物事を継続させ堅実さと信頼感を与える
- 温もりがあり歴史や伝統を感じる
茶色 のキーワード・・・
渋い / 素朴 / 地味 / 伝統 / 保守的 / 力強い / 自然 / 穏やか / 堅実 / 温和 / 温もり / 安らぎ
茶色 のキャラクター・・・
堅実的で安定志向 / マイペースで変化を嫌い現状維持を好む / 目立たなく落ち着きがあり自然志向
金色(ゴールド:#FFD700)
金色 の性質として・・・
高価なイメージを与え豊かさを表す金色。存在感も強く特別な印象を与える。質感や光沢も含めた金属色なため単色での表現は難しい色でもある。
単色では代用で黄土系の色を使えば、それに近く見せることができる。黄色が光る色と一致するため、黄色のイメージを強くした効果もある。
金色 のイメージ・・・
- 高級感を感じさせ特別なものと認識させる
- 豊かな気持ちになり欲が満たされる
- 意欲的になり自信が持てる
金色 のキーワード・・・
高級 / 豪華 / ステイタス / 貴重 / 輝き / 成功 / 頂点 / 派手 / 豊か / 勝利 / 才能
金色 のキャラクター・・・
リッチでブランド志向 / 目標が高く結果オンリー / 主役で威厳がある / 心豊かで幸せを感じている
銀色(シルバー:#C0C0C0)
銀色 の性質として・・・
他の色との協調性が高くどの色とも馴染みやすい銀色。グレーと似たイメージ効果を持つ。質感や光沢も含めた金属色なため単色での表現は難しい色でもある。
代用色としてグレー系の色を使うことで、それに近く見せることができる。白色を高級に表現するときに使われる色でもあるが、色の好みの中では印象の薄い色と捉えられている。
銀色 のイメージ・・・
- 都会的で洗練されたシャープな印象を与える
- 上品な印象があり気持ちをリラックスさせる
- シンプルだが知性を感じる
銀色 のキーワード・・・
影 / 無機質 / 冷たさ / 知性 / 洗練 / 才能 / 人工的 / 金属 / 高級 / 協調 / 貴重 / シンプル / 機械的 / 未来
銀色 のキャラクター・・・
判断能力が高く信頼できる / 理想が高くクール / 優しく紳士的 / 秘めていて目に見えないものを感じる
さりげなく使われているその色は計算され使われている
私たちは日常で目に入ってくるいろいろな色に心理的・生理的な影響を与えられている。国際的に色は同じでも、文化によっては心理的に受ける影響は多少異なるようです。
さりげなく使われている色にも作り手側からすると、色がもたらす印象を考慮した上で作っているケースがほとんどです。身近な例だと、暖かさを感じる暖色と寒さを感じる寒色の温度感がある。同じ温度でも「赤・オレンジ・黄」は暖かさを感じ「青・紫・紺」は寒さを感じる。
このように人は温度差までも色で影響されることもある。さらに色は温度感だけではなく様々な場所・場面で人に情報を与えている。色の組み合わせは複雑でも、心理・生理的作用を共に把握することで色を上手く使いこなせるようになるだろう。