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回遊性を高めることで訪問者に多くの情報を与えられる
前回は、アクセス解析を使いサイトの集客についてのColumnでした。今回は集客した訪問者を、どのようにすれば回遊性を高められるのか?について考えてみる。
回遊性を高めるためには、「PV(ページビュー)を増やす・直帰させない・滞在時間を増やす etc...」いろいろと考えると思う。簡潔に言うと「回遊 = 閲覧して欲しいページをより多く閲覧していただく」ことで、回遊性UPにつながる。
ちなみに、「滞在時間」は回遊の定義に含めないこととする。なぜなら、「滞在時間」はあくまでコンテンツ単体の興味深度(興味があるページの滞在)と関係してくるため、重要なページへ誘導して回遊させるといった訪問者の行動とは別と考える必要があるからです。
直帰率が高い=回遊性が低いサイトとなるのか?
通常、直帰率は回遊性を判断する上で重要な部分と捉える。
サイトA : 直帰率が・・・80%
サイトB : 直帰率が・・・40%
数字から読みとると、直帰率が高いサイトAの方が当然ながら回遊性が低いと判断する。「直帰率80%ってどうしようもないサイトじゃない」と思うかもしれない。しかし実際のところ、直帰率だけでサイトの回遊性が低いと判断するのは危険なことでもある。
直帰率80%のサイトがキャンペーンなどでポイント獲得などの宣伝を行っているとしたら、そのページにだけ滞在し直ぐに直帰していることも考えらる。
そのためにも、滞在時間やPV(ページビュー)などを分析し「ポイント獲得のためだけに訪れた訪問者」は省かなければならない。実際、省いて計測したところ「直帰率20%」と判明する場合もある。
ここでサイトBがそのようなキャンペーンを行っていないとすると、純粋なサイト訪問者の回遊だけ追えばサイトAの方が回遊性に優れている結果となる。
それでは、どのようにして回遊性を判断すればよいのだろうか。やはり特定のデータだけに頼らず多面的な分析と判断が重要になってくる。その中で、回遊性をどこで判断するかをいくつか挙げてみる。
- 1訪問あたり平均閲覧 PV 数
- リンク元ドメイン別直帰率
- 進入ページ別直帰率
- 5ページ以上閲覧率
- 重要ページ到達率
etc...
サイトの回遊性は上記などのデータを多面的に見ることで正しく判断できる。
ある賃貸物件を取り扱っているサイトならば、下図の不動産サイトの場合「TOPページ」~「物件詳細」のページに至るまで、少なくとも5ページ以上の閲覧が必要となる。
同サイトにおける主要入口がTOPページならば、「5ページ以上閲覧率」というデータが非常に重要となる。これにより訪問者の何%が、「閲覧して欲しいページまでたどり着き、閲覧してくれているか」という回遊性を計ることができる。
直帰率の改善を考える
さて、実際に回遊性を高めるための構成に入っていこう思う。と、その前に直帰率についていま一度、整理しておこう。
主な直帰の原因として...
- 広告媒体(リンク元)の問題
- キラーページ(ランディングページ)の問題
- 広告媒体とキラーページの関係性
直帰の要因としては、上記のように「広告媒体(リンク元)」「キラーページ(ランディングページ)」の2つの問題と関係性に集約される。
この中で、「広告媒体の選定」 or 「キラーページの課題」などは運営者のイメージとセンスが関係してくるので今回は触れません。ここでは、広告媒体とキラーページの関係性について考えてみたいと思う。
広告媒体とキラーページの改善と言われると、「バナーのデザイン・リスティング広告などの文言・キラーページのキャッチコピー or タイトルバナー・ボタンデザイン or 色使い etc... 」を考えてしまうのではないだろうか。
確かにこの部分は大切であり、手抜きは許されない。だが、直帰率と回遊性について考えていくと重要なのは、「広告媒体」と「キラーページ」の関係性においてはストーリー性が何より大切ということになる。
「当然でしょ!」と思ったあなたは優秀です。でも実際、消費者の立場に立ち行動心理を考え客観的な視点を持つのは意外と難しいものです。
そのためにも常に消費者側に立った視点で「AIDMA(アイドマ)」をイメージし続ける必要がある。「AIDMA(アイドマ)の法則」とは、消費者があるモノを知りそれから買うと言う行動に至るまでのプロセスで、コミュニケーションの反応プロセスのひとつ。
回遊を高めるにはストーリー性は欠かせない
広告クリエイティブとキラーページの整合性は重要です。が、「文字での表現やデザインの合致」などの整合性と誤解してしまう場合がある。当然、大切なのですがそれ以上にイメージしなければいけないのが、ストーリー性ということになる。
整合性の意味を誤解してしまうと、直帰率を増やしてしまう結果となりかねない。広告クリエイティブとキラーページの中身を酷似させてしまうと何故いけないのかは、訪問者の立場に立ち客観的に考えれば理解できる。「キラーページの中身が訪問者の期待に応えられなかった」ということでしょう。
広告を見て注意を払いサイトに訪れ、キラーページで同じコンテンツを見せられては興味や関心を持つどころか、「また同じ内容?」と落胆して直帰してしまう。
最初の入口といえる広告バナーなどに、情報を詰め込みすぎるのも考えものです。なぜなら、訪問者は広告で得られる以上の情報をキラーページに求めるからです。
特に「キャンペーン・タイムセール・○○%OFF etc... 」のイベント用のキラーページへの誘導には細心の注意を払わなければいけない。そのように考えると、広告のキャッチコピーは特に重要となる。
ここで情報を詰め込みすぎるのはよくない。シンプルで一目見て分かりやすいキャッチになっているかを再度見直す必要がある。今まであなたのサイトを全く知らなかった訪問者が、広告やキラーページを見て何らかの期待を抱くかを考えてみてください。
いかがでしょう。期待に応えられているでしょうか?回遊性を高め、更に新たな期待を抱かせコンバージョンにつなげるためには整合性だけではなくストーリー性を意識し構成していくことが大切です。
この部分を真剣に考え抜き訪問者側の立場に立つことで、「訪問者が、消費者に」なっていくでしょう。
コンバージョンプロセスへの誘導を考える
最終的にコンバージョンを増やすためにはどうしたらよいのだろうか。答えは至ってシンプル!コンバージョンの入口への誘導(コンバージョンプロセス(CVプロセス)への誘導)を増やすことです。
例えば、キラーコンテンツを活かしたCVプロセスへの誘導法を考えてみます。キラーコンテンツページ = 「訪問者が、そのページを閲覧後にCVプロセスへ入って行く割合が多いページ」
このキラーコンテンツページへの誘導率が上がれば、おのずとコンバージョン率も上がる結果となる。それには下図のように、より多くのページからの誘導が大切となる。
「サイトの魅力を最も表現しているページ・キャンペーンページ or 検索ページ etc... 」サイトの目的や内容によって様々でしょう。これらをのページを見つけ出すためには、アクセス解析を使うことで発見できる。
解析の結果ある特定ページがCVプロセスへ入って行く率が高ければ、そのページが「キラーコンテンツ」となる。
このキラーコンテンツを見つけ出して全体的なストーリー性を考えて構成し、訪問者をそのページへ誘導させることができれば、おのずとCVプロセスへの道筋も見えてくるでしょう。