色・カラー・デザイン

色で人の感情はコントロールできるのか?

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人は色によってこんなにも影響を受けている

 

color-eikyou色が持つイメージ、抱かせる感情などの心理的な効果を 「色彩感情」 と呼ぶ。そして、具体的・抽象的な物事と結びつけることを 「色彩象徴」 と呼ぶ。

 

色と人の心に関係する内容は、世界で共通の題材として興味が持たれ多くの国で調査と研究がなされた結果、今では世界一般に共通する色と心に関する報告がされている。

 

どんなビジネスの世界でも規模の大小問わず、商品を顧客に対してプロモーションを行う。形あるものには必ず色がついている。

 

その商品の色の設定(良し悪し)によっては、成果や売り上げに大きく左右する。そのためどんな業界でも、重要要素として認識され多大な労力をつぎ込み継続して研究がされている。

 

これほどまでに色・色彩というものは人に与える影響も大きい。色の「意味・性格・性質」を理解して使いこなすことは仕事や自己演出、またはイメージや売り上などの出来不出来に大きな影響を与える重要な要素となってくる。

 

色・色彩というと服飾関連業界が特に力を注いでいるように感じるが、どんな業界でも使われている色には意味があり、作り手側からすれば必ずそこにはその色を使った戦略が存在する。

 

戦略的に使った色だがヒットせず再検討し色を変えてみたところ、同じ商品でも売上が上がったというケースも少なくはない。ということは全く同じ商品や物体でも色の使い方によっては、人の受ける印象も大きく違ってくるということになる。

 

色によってはどのように見えてしまうのか...?

 

「進出色・・・後退色」

同じ物体でも色が違うだけで、前に出て見えたり後ろに下がったり見えたりする。「赤・オレンジ・黄」系の色は進出色で前に出て見えるが、「青・紫・緑」系の色は後退色で後ろに下がって見えてしまう。

 

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(左の黄色より右の青色の方が奥に入って見える)

 

「膨張色・・・収縮色」

服の色で例えると、黒系の色より白系の色の方が太って(膨張)見える。これは錯覚によるもので、色の明度によって起こってくる。膨張して大きく見える色を「膨張色」といい、収縮して小さく見える色を「収縮色」という。

 

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(左の白色より右の黒色の方が小さく見える)

 

色で人はコントロール誘導されている

 

たかが色、されど色... 実際に色を変えて人に心理的・生理的影響を与えた事例がある。

 

ある会社では社員の落ち着きがなくミスも多い職場(オフィス)があり、当時使われていた机や椅子が赤やオレンジだったため、グレーや青に変えたところミスも少なくなり社員の作業効率も上がった。

 

その影響を調べるため各社員の血圧を計ったところ平均15%血圧が下がっていたことがわかった。これは、オフィスに限った事だけではなく自分の部屋や日常使っている室内でも同じ事が言えるだろう。

 

仕事が終わり帰宅しても疲れが取れず翌朝も疲れが残ってしまう場合は、自室の壁やテーブル・椅子などに使われている色に注目してみてはいかがだろうか?

 

赤やオレンジ系の色で揃えているようであれば、青や緑系の色に変えることで穏やかになりストレスもとれていくかも知れない。さらに考えるなら、照明の色にも気を使うことで深い眠りになると思う。

 

ある市街地では電力消費を抑えるため道路の街灯をLEDに交換し、色を青にしたことで犯罪率が減少したという報告もある。僕もその市街地に足を運んだことがあるが、確かに以前より落ち着いた雰囲気の街になっていた。

 

個人差はあると思うが最初は見慣れないせいか少し薄気味悪くも感じたが、しばらくし慣れてくるとそれが心地よく感じた。

 

使われている色によってはストレスを感じ不快な印象を受ける場合もあり、その色を変えることで穏やかな気持ちにもなれる。これほどまでに人は色により感情をコントロールされている部分も多々ある。

 

これはwebサイトも同様で、バックグランドや文字の色のバランスによっては閲覧者にストレスを与えてしまい、有益な記事を掲載したとしても早期離脱となってしまうこともある。

 

物や商品やwebサイトの目的を考え、なぜその色が使われているかを考えると興味深い部分が見えてくるだろう。このように私たちは、目から得た情報は個人差はあるが心理的・生理的影響を受けている。

 

色は言葉とは違いストレートに伝わる

 

色・色彩はいろいろな「感情・印象・錯覚」を与える。これらを利用し部屋の模様から広告やファッションやwebサイトまで、あらゆるところでその作用は使われている。

 

言葉で伝わるものとは違い心理的・生理的に影響を与えるので、見て感じた印象としてストレートに伝わり素直に受け止めるかたちとなる。そして身につける色によっては相手に与える印象も変わってくるし、自分の好きな色を使うことで癒し効果があり安心する。

 

色について身近でわかりやすい例だと、道路などの標識や信号機がある。標識で警告や禁止などには赤色や黄色が使われ、優先などには青色が使われている。

 

信号機は「青・黄・赤」の色が変わることで、人や車両を誘導している。一般の風景には赤色や黄色があまり存在しないこともあり、その色を使って目立つように工夫している。

 

ふだん使われている色をまじまじと見ることはほとんどなく、ただの色として認識されていることも多いが人の心理面には大きな影響を与えているようだ。

 

色の使い分けとしては、企業やブランドなどのロゴを観察してみても面白い。色の「性格・性質・意味」を知ることでなぜその色が使われているのかが見えてくる。

 

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また、その日の服や身に付けた物の色で、その時の感情の色を自然に選んでいることもある。色は文字とは違い見て感じるものなので、気づかないところでいろいろな影響を受けている。

 

室内から外出先まで身の回りの色を見て人はどんな影響を受けるのか考えることで、どのような場面でどんな色を使えばよいのかがわかってくるだろう。

 

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